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  YURI-Scene1- 

YURI 2006/08/07 |このエントリーを含むはてなブックマーク 
推しの友理奈とBerryz工房の各メンバーとのふれあいを描いてみようということでスタートした、Reactor初の連載小説「YURI」。
多くの方に楽しんでいただき、また書いている自分もその時期折々のBerryz情報を織り込みつつ文章を書いていくのは実に楽しく、あっという間にメインコンテンツの一つとなりました。
これはその第一作、友理奈と佐紀ちゃんのからみを描いてみたものです。最初の作品ゆえまだ手探りのところもあり、後々の作品に比べると短めです。

なおこの回に限らず、「YURI」に関してはGLっぽい部分も結構な割合で含まれますので、その手のものがお気に召さない方はご覧にならないことをお勧めします。
(YURIとは友理奈の「ゆり」はもちろんですが、GLっぽい部分があるということで「百合」の意もあります)

2005年9月19日掲載。

.

「それじゃ今日は解散!みんな早く寝るのよ」
「は~い!」

ここは名古屋のとあるホテル。あたしたちBerryz工房は秋の単独ツアーの真っ最中で、今日は大阪公演と名古屋公演の中日。
名古屋会場でリハーサルを終えた後ホテルに戻ってきて、マネージャーさんと明日の日程についての最終確認をして、今解散したところ。
これからこっそり抜け出して夜の街へ遊びに…行くようなことはなくて、みんなちゃんと割り当てられたお部屋へと戻っていく。
そりゃそうだ、これでもプロなんだもんね。それにもう移動とリハでクタクタだし。
あたしも割り当てられた部屋へと向かう。部屋の前に着いて、ドアを開けようとすると…

「あ、熊井ちゃん。一緒の部屋なんだね」

後ろに佐紀ちゃんが来てた。佐紀ちゃんはキャプテン。
みんなが解散した後もいつもマネージャーさんと話しているみたいで、多分みんなの体調とか明日は行けそうかとかを話し合っていたんだろう。
でも今日はそれも割と早く終わったらしく、あたしが鍵を開ける前に追いついたらしい。そっか、今日は佐紀ちゃんといっしょかぁ。

「今日は」って書いたのには理由があって、Berryz工房メンバーは8人だけど、泊まるときにはいつも2人部屋×4に分けられるのだ。
そしてその組み合わせはマネージャーさんとかスタッフさんが決める。あたしたちが勝手に決めることはできない。
多分Berryz工房の中で特定の仲良しグループができて――それだけならまだいいけど――派閥みたいなものができないように、つまりグループみんなが均等に仲良くなるように、
そして特定のメンバーが必要以上に仲良くならないようにしているんだろう。
まぁ実際、もし勝手にルームメイトを選べるならあたしは迷わずちーだけをいっつも指名していただろうから、このやり方も妥当と言えば妥当。
それにいろんな人と同じ部屋で一晩過ごせるってのは楽しいから、あたしも異論はなかった。

そんなわけで今夜はあたしは佐紀ちゃんと過ごすことになったんだけど…

「ふー、もうクタクター」

佐紀ちゃんが――その身体に比べればすごく大きな――荷物を置き、床にぺたんと座り込んで言う。
キャプテンとしての凛とした佐紀ちゃんはいっつも見られるけど、こんな佐紀ちゃんを見られるのはやっぱり同室の特権だろうなー。
そんなことを考えつつ佐紀ちゃんを目で追う。あたしは手早く明日の準備を終え、再び佐紀ちゃんに目線を戻す。
佐紀ちゃんはまだ準備を終えられないらしく、荷物を全部取り出しては一つ一つ確認して、
それを終えて荷物を再び一つにまとめては、また何か思い出したのか取り出し始める…そんなことを繰り返していた。
完璧主義が完璧に裏目に出てる。佐紀ちゃんは始終ちょこちょこ動き回っていた。あたしに背を向けて。
そんな佐紀ちゃんを見て思ったのは

かわいい…

そんな感情。いいじゃない!確かに2つも年上だけど、Berryz工房のキャプテンだけど、かわいいものはかわいいんだもん!
あっちに行ってちょこちょこ、こっちに来てまたちょこちょこ、動き回る佐紀ちゃん。
なんかハムスターみたい…そういえば昔「しみハム」ってあだ名もあったっけ。佐紀ちゃんって小動物っぽい…かわいい…
そんな佐紀ちゃんを見て思ったのは

抱っこしたい…

そんな感情。いいじゃない!だって…だってかわいいんだもん!
かわいらしい動物、例えば子犬とか子猫とか、子供でなくても小動物、そう、それこそハムスターとかを抱っこしたいって思うのはごく自然な感情だよね。うんうん。
あたしはがまんできなかった。後ろから佐紀ちゃんに近づいた。そして…

「えいっ!」
「きゃっ!」

佐紀ちゃんを抱きしめた!不意の襲撃に驚いた佐紀ちゃんは一瞬ボーっとしてたけど

「こ、こらっ!は~な~し~な~さ~い!」

ってバタバタしてくる。でも所詮140センチそこそこの佐紀ちゃん。そんな些細な抵抗、身長170に迫るあたしの心についちゃった炎をあおる風にしかならない。

「だって佐紀ちゃんがかわいいんだもん♪」

あたしは素直に心のうちを伝えた。佐紀ちゃんはそれはそれは赤面したけれど、どうやら子ども扱いされたと勘違いしたらしく

「何言ってるの!もー!離しなさいっ!!」

さらに真っ赤になって怒った。でもそれすらもかわいい…あたしちょっとおかしいのかな?
でもでもかわいいのは事実なので、それは佐紀ちゃんに伝えとこうと思った。
なのに佐紀ちゃんがまた突然バタバタ暴れ出したので、
普通に話そうと思ったのに、偶然あたしの口のそばに近づいた佐紀ちゃんの耳元にささやくような形になっちゃった。

「佐紀ちゃん、かわいい…」

佐紀ちゃんの動きが止まった。今まで暴れていたのがウソみたいに。ボーッとした瞳であさっての方向を見ている。ほっぺは真っ赤だ。
ねぇねぇ佐紀ちゃん、大丈夫?あたしは佐紀ちゃんに呼びかけてみた。
佐紀ちゃんはそのままでこっちを向いた。改めて見るとその火照った顔は、とっても…なんか、なんか…エッチだった。

「佐紀、ちゃん…」
「…」

呼びかけても返事はない。ただただとろんとした瞳であたしを見つめるだけ。
すごい。あたしにはこんな色っぽい顔はできないよ。これが2歳の差かぁ…。
でもこんな佐紀ちゃんのままじゃどうしようもないので、あたしはとりあえず「いつもの」ことを試してみた。

それは「ちゅー」。Berryz工房メンバーでは、いや元をただせばハロプロの先輩たちがやっていたことなんだけど、おなじみの行為。
みやとりーちゃんなんて毎朝会うなり抱き合ったりちゅーしたりしてるし、
別にその2人に限らず「ちゅー」を迫ったり迫られたり、そんなふざけあいは多かった。
日常的な「ちゅー」をすることで佐紀ちゃんが目を覚ましてくれれば、そんな感じであたしは唇を佐紀ちゃんのそれと重ねた。

「佐紀ちゃん…もらうね…」
「…」

~☆

「…ふぅ」
「…え?えぇ?熊井ちゃん何してんの?え?えぇ?」

佐紀ちゃんは正気を取り戻したらしい。よかったよかった。
よかったはずなのに佐紀ちゃんはまたさっきと同じように真っ赤になってる。どうしたのかな?

「熊井ちゃん」
「なに?」
「あたしのこと…好き?」
「え?」
「いっつも…熊井ちゃん、ちーのことばっかり見てて…あたしなんかには目もくれない…」
「そ、そんなこと…」
「だからね、今日はマネージャーさんに、わざと熊井ちゃんと同じ部屋にしてもらったの」
「え?」
「たった一晩でも…好きな人と一緒にいたいんだもん…」
「佐紀ちゃん…」
「ふふっ、でもやっぱフられるんだよね、あたし」
「なんで?」
「そりゃそうだよ。舞波を止められなかった後悔を、好きな人と一緒になって一瞬でも忘れようとしたなんて、そんなのキャプテン失格だもん」
「佐紀ちゃん、そこまで…」
「ふふっ、ごめんね。今の忘れて。さ、寝よ寝よ!」
「さ、佐紀ちゃん…佐紀ちゃん!」
「きゃっ!」

健気な佐紀ちゃん。そこまで考えていてくれたなんて。
Berryz工房のキャプテンとしてだけじゃなくて、普通の女の子としても文句なしに最高だよ。これ以上なくかわいかった。
あたしは思わず佐紀ちゃんの足を手ですくってお姫様抱っこしてみた。
でもさすがに、いくら小柄な佐紀ちゃんといっても女のあたしが抱っこするにはちょっと…。
程なくしてあたしはバランスを崩し、横にあったベッドに佐紀ちゃんもろとも倒れこんだ。
佐紀ちゃんの上にあたしが覆いかぶさる形になる。

「佐紀ちゃん…」

佐紀ちゃんはあたしをまっすぐ見上げ、そして…目を閉じた。

「佐紀ちゃん…いいの?」

あたしは思わずたずねてしまう。ホントはこういうときには何も言わずに次に進むのがいいんだろうけど。

「…うん」

佐紀ちゃんはそれでも、答えてくれた。まぶたをぎゅっ、と閉じて、口も真一文字に結んで。
"こういうこと"が初めてなんだろうということは容易に想像できた。まぁあたしも初めてなんだけど。
でもお互いに「初めて」である以上、佐紀ちゃんが全てを委ねてきている以上、小6だけどあたしがここからは進めるしかない。
仕方なく――いやホントは興味津々でもあったんだけど――あたしは佐紀ちゃんのTシャツの裾に手をかけた。そして裾をつかんで捲り上げ…



「しみちゃ~ん!熊井ちゃ~ん!いるんでしょ~!」



扉の外からちーの声。もう!今いいところだったのに!
でもあたしたちが部屋にいるのは扉の下から漏れる明かりで明らかだっただろうし、ちーは居留守とか使われると後々ず~っとスネるので、ほっとくわけにはいかなかった。
第一ちーのこと大好きだから失いたくないし、今のこの状況に感づかれるのもそういう意味では非常にマズい。今はこれ以上はあきらめるしかなかった。

「また今度だね」
「…うん、いつでも待ってるから」

ちゅっ、という軽いキスの後、扉を開ける。

「も~何やってたの~?まさかしみちゃんと浮気してたんじゃないでしょうね~」

そう言いつつ笑顔のちーが入ってくる。こんなこと言っててもまさかそれが事実であるとは微塵も疑っていない顔。
この顔がやっぱりあたしは大好きなのだった。ちーはあたしの帰るべきところ、ただ一人の大切な人に違いなかった。

でもこの夜で「他の子もたまにはいいな」という思いがあたしの心のすみっこにできちゃったのだけれど…。

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