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  YURI-Scene2- 

YURI 2006/08/07 |このエントリーを含むはてなブックマーク 
YURI第二話、今回は友理奈と桃子のお話です。前回に引き続きGL要素が含まれます。
また桃子と舞波のCP「桃波」要素も含まれています。

2005年10月16日掲載。

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「はい、じゃ15分休憩ー」
「はーい」

ダンスレッスンの休憩時間になった。トイレに行ったりジュースを買いに行ったりする子もいるけど、基本的にはメンバーはレッスン場で思い思いに休んでいる。
最近は夏と違ってコンサートとかイベントとかはそんなにないんだけど、11月には新曲も出るし、来年には正月のコンサートもある。あともしかしたら今年も紅白に出させてもらえるかも?
そんなわけでいちいち直前になって振り付けを覚え直すなんていう無駄なことはできないので、あたしたちには定期的にダンスレッスンが課されている。
もちろん歌って踊るのは大好きなのであたしとしても嬉しいんだけど、Berryz工房の曲は激しく動くダンスが多いし、いろいろ新しい振り付けも入ってくるのでやっぱりハード。
まぁ伸び盛りのあたしたちにできるだけいろいろ教えようってことでどんどんレベルを上げてくれてるんだろうな、とも思うけど。

「ふぅ」

そんなことを考えながらあたし、熊井友理奈は壁際に座ってタオルで汗を拭う。そして部屋を見渡す。
お菓子をつまんでいるちーとみやとりーちゃん、なにやら遠いところを見ているまぁさん。うん、いつものレッスン風景だ。
佐紀ちゃんもこないだは取り乱してたみたいだけど、やっといつもの佐紀ちゃんに戻ったって感じ。
あ、そういえばこないだの続きを今夜あたりしてもいいかも。ぼんやりとそんなことを考えていると…

「嗣永、ちょっと休憩したら?」
「いえ、今のところもう一回お願いします!」

見るとももちが先生に休み時間の間も指導してもらってる。ここ数日の彼女はものすごく一生懸命。
前はこれほどじゃなかった。もちろんレッスン中は全力で練習するけど、
休み時間には笑顔を振りまいてみんなとおしゃべり、それがレッスン日のももちだった。
そう、ももちは休み時間になると表情を崩して、真っ先に舞波のところに寄っていって…舞波!

あたしは、はっとした。ももちは舞波の分も練習しているんだ。2人分の気合いで練習しているんだ。
あともしかしたら休み時間に今まで話していた舞波がいないからその寂しさを練習で紛らわそうとしているのかもしれない。
とにかく今のももちを動かしているのは2人分の情熱なんだ、ももちの表情からもそういう感じがする。
でもももちはあくまで1人。ももちの出せる力は1人分。なのに2人分動き続けているとムリがくるんじゃ…
あ、そういえば今日ももちカゼひいてたんじゃなかったっけ?これはいけない。強引にでも休ませよう。
「ねぇ、ももち、ちょっと…」あたしが声をかけようとしたその時

「もう…いっかい…」

ばたっ

「嗣永!」

床に倒れこんでしまったももち。顔は真っ赤で荒い息を漏らしている。みんなが駆け寄る。
ももちは荒い息の合間からうわごとのようにつぶやく。

「Berryz工房は…8人だもん…ずっと…ずっと、8人分のパワーなんだもん…そうじゃなきゃいけないんだもん…」

やっぱりももちは舞波の分もがんばっていたのだった。舞波と一番仲のよかったももち、
だけど倒れるまでがんばるというのはどう考えてもやりすぎだった。

「がんばりたいのはわかるけど倒れちゃ意味がないんだよ。他のみんなもわかってる?」

先生はあたしたちを見回して言う。

「それほど急いで覚えることもないし…よし、今日のレッスンはこれでおしまい。最近風邪も流行ってるし、今日は各自しっかり休養を取るように」

ももちはそれでもさらに練習を続けたがっていたけど、先生とみんなの説得によりしぶしぶ帰り支度を始めた。
他のみんなもそれぞれレッスン場を後にする…。

翌日。今日はレッスンはない日なので、あたしは学校が終わったあとももちの家にお見舞いに行くことにした。

「こんにちはー」
「あら友理奈ちゃんいらっしゃい。お見舞いに来てくれたの?ありがとう」
「ええ。おじゃましていいですか?」
「どうぞ。桃子なら部屋にいるわよ」

ももちの部屋に向かうあたし。ドアをノックする。

「誰~?」
「あたし、ゆりだよ」

ちょっとの間を置いて「…入って」返事が来る。元気がないなぁ。やっぱりカゼがひどいのかな?
部屋に入るとももちはベッドに寝ていた。窓のほうを見て、こっちには向かないで。
あたしはとりあえず勉強机のイスに座ることにした。どちらからも口を開かず、しばらく沈黙が続く。なんか気まずいなー。
と、そこへ

「おやつ持ってきたわよ。2人で仲良く分けてね」

ももちのお母さんがナイスグッドなタイミングでお皿に載せたおやつを持ってきてくれた。
お母さんが出て行った後、あたしはお皿をももちのほうに持っていく。

「はい」
「…ありがと」

ももちは身体を起こして、お菓子をひとつつかんだ。あたしもその後ひとつつかむ。
ぱく。もぐもぐ。ひとしきりお菓子を食べるあたしたち…ってこれじゃさっきと変わんないじゃない!
あたしは意を決して話しかけてみることにした。

「ねぇももち、なんであんなにがんばるの?」
「…」
「舞波の分までがんばってるんでしょ?」
「…」
「舞波がいなくて寂しいから?」
「…」

ももちはいっこうに返事をしない。あたしはあせってしまう。

「あ、じゃああたしを舞波の代わりだと思ってさ」
「…代わり?」

ももちが突然こっちを向いた。ものすごい怖い顔をしてにらんでる。な、なんか悪いこと言ったかな…。

「そ、そう。代わりになってあげる。なんでも言って」
「ふ~ん」

ももちはさらにあたしをにらむ。

「気安くそんなこと言わないでくれる?」
「ほ、ほんとだよ」
「本気で言ってる?」
「う、うん」
「ウソじゃない?」
「うん。ウソじゃない、よ?」
「じゃあ今からあたしの言うこと聞いてくれる?」
「え?」
「何でもするって言ったよね?」
「う、うん」
「じゃあさ、こっち来て、舞波っちと同じことして」
「同じこと?」
「舞波っち、いつも練習の後あたしの身体をほぐしてくれたの。それをやって」
「マッサージ…みたいな感じ?」
「そう。代わりになるんでしょ。それくらいできるよね」

そう言ってベッドにうつぶせになるももち。ちょっとムッとしないでもないけど、言われるがままにももちの上にまたがってみるあたし。
そう言えばレッスン前後の柔軟も、2人でやるやつはいつもももちと舞波一緒だったなぁ。あたしはちーと一緒だったけど。
とりあえずいつもの調子でももちの体を押してみる、すると

「痛い!」
「ご、ごめん!」

そういえば今のももちはカゼひいてたんだった。今度は力をさっきより抜いて押してみる。でも

「痛、い…」
「あ、ほんとにごめん!」

謝るあたし。でも次の瞬間ももちがポロッとこぼした言葉は

「舞波っちの方がよかった」
「…!」

あたしは、傷ついた。でもももちは相変わらず「手が止まってる!早く!」促してくる。
傷ついたけれど、それでも手を動かす。「へたっぴ!」「どこ押してんの!?」
手を動かすたびにももちはあたしをなじってくる。そしてその二言目には常に「舞波っちの方がよかった」なのだった。
あたしは、耐えた。何度も何度もなじられて泣きそうになったけど、でもここで止めたらウソついたことになる。だから耐えた。
そして何度目かわからなくなった頃…

「舞波っちの…方が…」
「ももち…」
「舞波っち…う…ううう…」

枕に顔を伏せて泣き出してしまうももち。
かける言葉が見つからないあたしはただ横に座ってももちの髪を撫でてあげるだけ。
そうして何分経っただろうか。ももちが泣き止んだのを見計らって、あたしはもう一度言った。

「ねぇ、ももち。あたしがんばるから。がんばって舞波みたいになるから」

するとももちは起き上がって、

「うっ…うっ、ふぇぇぇん」

今度はあたしの胸に顔をうずめてきた。何も言わずただただ泣きじゃくるももち。
再び髪を撫でてあげる。

「よしよし」
「ひっく…ひっく…ごめんね、ゆり…」

ももちがやっと口を開いた。一旦話し始めると止まらなくなってしまったかのように続ける。

「あたし、舞波っちがいなくなって寂しかった。だからついレッスンやりすぎたり、倒れて迷惑かけたり、今日だって…ゆりに当たり散らしちゃったり」
「ももち…」
「あたしってサイテーだよね。こんなんじゃ舞波っちもほめてくれないよ」

そう言ってうつむくももち。あたしはももちの両肩をつかむ。ももちが顔を上げる。

「ゆり?」
「…あたしは」
「?」
「あたしは確かに舞波の代わりにはなれないっぽいけど…でもあたしは舞波に負けないくらい、ももちのこと大好きだよ」
「ゆり…でも」

ももちはまた目を伏せる。でもあたしは続ける。

「だからさ、ももち1人でがんばらないで。あたしもいっしょにがんばるから」
「ゆりも、いっしょに…?」
「うん。舞波の分、ももちだけでがんばらなくてもいいじゃない。みんなでがんばろうよ」
「…そうだね。あたしが間違ってたんだよね。いろいろ背負い込みすぎてたんだよね」

そう言ってももちは再び顔を上げた。そこにいたのは「いつもの」ももち。
笑顔がかわいい。さらに見上げる格好になっているのでちょっと上目遣いっぽくてドキドキする。

「ゆり、ありがとね」
「どういたしまして」

見つめあうあたしたち。するとももちがにんまりと笑みを浮かべる。ん?どうしたのかな。
そう思う間もなく…

「えいっ!」

飛びかかってくるももち。不意をつかれたあたしは押し倒されちゃう。

「も、ももち!?」

ももちはニヤニヤして言う。さっきまでの涙はどこへやら。あ、照れ隠しなのかな?
でもそれを全然感じさせない笑顔でももちは続ける。

「でも、身体をほぐしてくれる人はいてほしいから…」
「から…?」
「あたしがゆりに教えてあげる」
「お、教える?」
「そ。ちゃんと勉強してね。そして上手になって、あたしにして」

そう言うとももちはあたしの身体に白くてぷくぷくとした手を伸ばしてきた。腕や脚に手が触れる。
服の上からなのに、なんかくすぐったいっていうか、ももちに触られると力が抜けちゃう。
身体が熱くなって、心臓がどきどきする。

「も、ももち…」
「へへ~、どう?」

ベッドに仰向けになって目を閉じて、知らず知らずのうちに荒い息を漏らしちゃってるあたし。
ただのマッサージみたいなものなのに、あたし、ヘン?マッサージって身体がほぐされて気持ちよくなるはずなのに、
ももちのは確かに気持ちいいけどなんか違ってて、身体の真ん中が熱くなって…

はっ、と目を開けるとももちが微笑みながらこっちを見てた。

「ちょっと触っただけだよ。どうしたのゆり?そんなに気持ちよかった?」

勝ち誇ったような顔のももち。今のあたしのこと、完璧にわかってる。なんかくやしい。
それをさらに見透かしたようにももちは言う。

「じゃあ今度はゆりがやってみて」
「え?」
「今度は、やさしくね♪」

ウインクなんかしちゃってる。なんか全てがももちの思うままって感じ。
む~、今度はももちをさっきのあたしみたいな気持ちにさせてやるんだから!

あたしは身体を起こして、逆にももちを押し倒した。ももちはそれでも余裕の表情。よ~し、がんばるぞ~!
あたしはももちの身体に触れた。つい今ももちがあたしにやったのと同じように。

「あっ、じょうず」
「へへ~、じゃあここは?」
「す、すごい、あ」

ベッドの中で戯れるあたしたち。ももちがこんなにはしゃぐのを見るのって久しぶり。あたしも張り切っちゃった。
その結果…

「入るわよ~…あらあら」

ももちのお母さんがおやつの皿を取りに来たときには、あたしたちはベッドで仲良く寝てしまっていたのだった。

さらに翌日。レッスンを先に始めていたあたしたち。そこにももちがお母さんと一緒に入ってくる。
ももちは先生と話し中。お母さんは先生と少し話をしたあと、あたしたちのところにやってきた。

「友理奈ちゃん、昨日はありがとね」
「あ、いえいえ」
「桃子ね、"ゆりとお昼寝しちゃった"ってとっても嬉しそうだったのよ」
「あ!おばさんそれは!」

いくらなんでもみんなの前でそんなこと言わなくても…もう恥ずかしくて顔から火が出そう!

「ラブラブだね~」
「すごいな~」

案の定みんな冷やかしてくる。でもそんなみんなも

「はい!練習練習!」

先生の声ですぐにレッスンに戻る。あたしもそっちに気をとられる。
そのおかげであたしは気付かなかった。ちーが戻りながら漏らした一言に。

「熊井ちゃん、ももちとそんなに仲いいんだ…」

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