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  YURI-Scene3- 

YURI 2006/08/07 |このエントリーを含むはてなブックマーク 
YURI第三話。Berryz工房にて自分の最も推せるCP「ちなゆり」ものです。
友理奈視点だった前二作とは異なり、今回は千奈美の視点からのお話です。
ちなみに千奈美の一人称は「千奈美」なので、それを念頭に置いてお読みください。

2005年10月30日掲載。

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『徳さん熊さんの愛のポエム♪』

今日はお休み。千奈美はリビングでDVD見てます。外で遊んでるイメージが強いかもしれないけど、お家でゆっくりするのも好きなの。
テレビにはBerryz工房初単独コンサート「まるごと」の中の、一番のお気に入りのシーンが映し出されてる。
どれくらい好きかっていうと、このシーンだけ何回も何回もリピートしちゃったりもするくらい。
え?なんでかって?そ、そりゃ…そう!自分が出ているシーンをね、きゃっきゃん…客観的に見るのって大事でしょ?
だからだから、だからなの。そう、別にやましいことは…あ、ちょっと待って、大事なとこだから。

『できそうもないくらいなこと…おねだりしてくれて、いいよ』

はぁっ…!やっぱり何回見てもステキ。熊井ちゃんと見つめあったときのことを思い出す。
あの目でまっすぐ見つめられると頭がぽーっとなるんだよね。最初の頃なんて練習しようとするたびに頭がからっぽになっちゃって苦労したなぁ。
ふたりで、ふたりっきりでセリフの練習なんかもしたなぁ…みんながいると恥ずかしいからレッスン後に廊下の片隅でやったり…なんかほんとの告白みたいだった。てへ。
熊井ちゃん知ってる?千奈美、熊井ちゃんが最初「ちー、ちょっとあっち行こうよ」って言ったときもう大変だったんだよ!
何の前置きもなくあんなダイタンな発言しちゃって…熊井ちゃんったら、もうクマっちゃうなぁ…ぷぷぷ。あ、これいいダジャレかも。
なんで今まで思いつかなかったのかな。あまりに近くにいすぎて?そうかこれが灯台下暗しってやつかー。
もっともっと熊井ちゃんのことを見ていかないとなー。

…はっ。

い、いや、だから…ね?あーはいはいそうですよー。何回も見るのは熊井ちゃんと千奈美しか出てないから!熊井ちゃんが好きすぎるんだもん!
このとき熊井ちゃんを「まるごと」独り占めしちゃったんだよなぁ…千奈美。会場のみんなが見てる前で…あぁ、また思い出しちゃった。もうだめー。
みんなの前でこんなこと言い合っちゃったからには、もうふたりは公認の仲だよね!やったぁ!
あ、でもそういえば熊井ちゃん、こないだ桃と寝たっていうし、その前は佐紀ちゃんとベッドで何かしてたし、
もしかして熊井ちゃんってうわきもの?みんなの前で愛を誓い合った千奈美がいるのに?むー。これは明日確かめないと!

次の日、レッスン開始前。熊井ちゃんが来た!早速確かめ…たいけど、いきなりだと熊井ちゃんビックリしちゃうかもしれない。
まずはあたりさわりのない話から…そうだ、ダジャレでも言おう。

「あ、熊井ちゃんおはよー」
「おはよー」

うん。機嫌はよさそう。よし、言うぞ!

「熊井ちゃんったら、もうクマっ…」
「最近寒いよね~」



えっ…寒い?



そ、そんな。そんな冷たい返事…。しかも「最近」って。前は面白かったけど最近つまんないってこと?
それって普通につまんないって言われるよりショックだよぉ。新作聞きもしないうちからそんなこと言わなくても…
ん?聞きもしないうち?あ、そっか。まだ千奈美何も言ってないや。熊井ちゃんは単に天気の話をしたんだね。なぁ~んだ。じゃあ改めて。
これで熊井ちゃんは一日の最初から笑って、千奈美も熊井ちゃんの笑顔を最初から見られて…

「ハッピ~!」
「うわ!びっくりしたぁ」

そうそうハッピーに…って!千奈美が考え事してる間に現れた桃が熊井ちゃんと話してるしっ!
し、しかも…

「ゆりおはよー。ねぇねぇ今日練習終わったらさぁ、久しぶりに…しようよ♪」
「今日?うん。いいけど」

な、何?"する"って何?しかも熊井ちゃんOKしちゃってるし!あ、桃が熊井ちゃんに抱きついちゃった!

「桃ね、ゆりにしてもらうのが一番キモチよくなっちゃって…ゆり、飲み込みが早いんだもん」
「え~、そんなことないよ。ももちが教えるのが上手だからだよ」

ちょっちょっちょっと…!いったい何なの?このラブラブな会話は!?
熊井ちゃんに抱きついて甘い声を出す桃と、その桃の髪を優しくなでつつ答えてる熊井ちゃん。
どう考えてもこのふたりのやってることって…く、熊井ちゃん!やらしい!フケツ!
千奈美というものがありながらそんなことしてるなんて!だいたいあたしたち、その…キスだって、まだなのに…。

呆然とする千奈美をよそに、桃は熊井ちゃんを引っ張っていく。去り際に桃がこっちを見る。ニヤリ。「あたしの勝ちね」と言わんばかりの顔。
その顔は千奈美の目に焼きついた。桃の顔はちらつくし、熊井ちゃんはずっと桃と仲良くしてるし、
千奈美への気持ちは確かめられなかったし新作ダジャレは言えなかったしで頭がぐちゃぐちゃ。その日のレッスンはさんざん…。

練習が終わって自販機の前のイスに座る。今日の千奈美、ダメダメだったなぁ…。
休憩時間にたまたまめくった雑誌のページに、熊井ちゃんのハムスターが桃の前飼ってたハムスターと同じ名前だとか載っててまた凹んだし。
なんか全てがうまくいかない。

はぁ…。



「どうしたの?ちー。元気ないね」



顔を上げると熊井ちゃんが立っていた。すっごく不安そうな顔。

「どうもしないよ」

とんでもなく冷たい声が自分の喉から出た。ビックリ…。あ!熊井ちゃんに嫌われちゃう!
でも熊井ちゃんは

「そんなことないでしょ。いつものちーじゃないよ。何か考え事?」

そう言って横に座ってくる。それっきり何も言わず。千奈美の方から話すのを待ってるのかな。そうして何分が過ぎたんだろう。

「熊井ちゃんは…Berryzの誰かと付き合えるんだったら、誰がいい?」
「い、いきなり何?」
「答えて」
「ん~…」

どうせ何を言っても気まずいし、だったらいきなり本題に入っちゃおうっと。
千奈美の質問にちょっと考える熊井ちゃん。そして出てきた答えは

「全員かな」

やっぱり…熊井ちゃんはうわきものだったんだね。千奈美とのことも遊びだったんだね…もういいよ、千奈美、帰…

「でもね」

そんな考えを読んだかのように熊井ちゃんが続ける。

「全員とお付き合いしたいけど…実際そんなことできない」
「え…?」
「だってあたしにはもう、大切な人がいるんだもん」
「大切な人?」
「…目の前に」

そう言って、ちょっとほっぺを赤くしてまっすぐ千奈美を見つめてくる。か、かわいい!
いつもあんなにかっこいいのに、今の熊井ちゃんものすっごくかわいい!
それに千奈美のことを大切な人だなんて…うれしい!抱きつきたい!抱きつきたい!!
…で、でもでも、この程度じゃだまされないもん。千奈美怒ってるんだから!
ちょっと熊井ちゃんをいじめてみようっと。

「誰~?大切な人って?名前を言ってくれないとわかんない」
「だ、だから、目の前にいるって…」
「聞こえな~い」
「…もう。だからあたしはちーのことが…」
「だめ」
「え~なんで?」

いつもは「ちー」って呼ばれてるけど、ホントは好きな人には名前で呼んでほしい。今がそのチャンスなんだもん!

「言ったじゃん。ちゃんと名前で呼んで、って」
「…恥ずかしいよ」
「やっぱりそれくらいなんだね。熊井ちゃんの気持ち」
「…」

黙り込んで、うつむいちゃう熊井ちゃん。ちょっといじめすぎたかな…?
って、ここで熊井ちゃんに嫌われちゃ元も子もないじゃん!やばい。謝ろう。
そう思ったとき、熊井ちゃんがキッと顔を上げた。すごい真剣な顔。や、やっぱ怒ったのかも…

「く、熊井ちゃん?今の、冗だ…」

ちょっと後ずさりしかける千奈美。それを…

がしっ

「え?」

熊井ちゃんが両肩をつかんできた。そして、いつになく真剣な目で見つめてくる。
動けない。そんなに大した力でつかまれているわけじゃないけど、それより何よりしびれて…動けない。
千奈美も昔からボーイッシュって言われてたし、髪をショートにしてからはそんじょそこらの男の子には負けないかも?って思ってたけど、
熊井ちゃんのこのカッコよさの前じゃ千奈美なんてただの女の子…すごすぎる。勝てないよ。足元にも及ばないよ。
すっごい美少年としても、美少女としても通じるこの顔。やっぱりこの顔、いい…最高。
今更ながらに熊井ちゃんが好きで好きでたまらない自分を再確認しちゃう。

「…千奈美」
「は、はい」

熊井ちゃんの口から自分の名前が出た。たったそれだけ。それだけのことなのに身体に電流が走ったみたい。でもホントの衝撃はこの次の…

「千奈美のことが好きだよ。大好き」
「…はい…」

待ちに待ったひとこと。でもせっかくの言葉に自分はただただ熊井ちゃんを見つめるばかり。あぁ、また千奈美ダメダメだぁ…。
夢にまで見た告白なのに、衝撃を受けちゃって何も言えない。なのに熊井ちゃんは…

「ちーは?あたしのこと好き?」
「え、えっと」
「あたしは言ったんだから、次はちーの番だよね?」

聞いてきた。さっきの真剣な顔とはうって変わって、いつもの熊井ちゃんの微笑み。でもそこにはどうにも逆らえないものがあって…。

「好き、です…ゆ、友理奈が…」

うわなにこれ。自分で言うとすっごく恥ずかしい!熊井ちゃんはでもそれをやってくれたんだよね。
やっぱり愛されてるって感じる!あぁ、また大好きになっちゃった…。

「よくできました♪」

熊井ちゃんが頭をなでてくれる。いつもだったら「コドモ扱いするな~!」ってやり返すところなんだけど、今の自分は「へへっ」ってされるがまま。
しばらくそこでいちゃいちゃ♪熊井ちゃん、やっぱり、いや今までよりももっと大好き!

「じゃあ、ちょっとあたし荷物とってくるね」

そして熊井ちゃんはロッカーへ荷物を取りにいった。千奈美はもう帰るつもりで荷物持ってきてたからここで待つことにしたんだけど、そのとき

「ラブラブだね」

振り返ると桃がいつの間にか立っていた。またニヤニヤしてる。朝と同じ…ように見えるけど、なんか違う。
なんか悔しそう…そう思った瞬間、桃が口を開いた。

「ゆりが遅いから様子見にきたら、見ちゃった」

見たって、さ、さっきのやり取りを…?顔から火が出そうだよぉ。でも桃はさらに続けてくる。

「ゆりのこと、好きなんだよね?」

言われた瞬間さらに顔が熱くなるのを感じた。でもでも負けるわけにはいかないもん。ちゃんと胸を張って答えます。

「うん。好きだよ」
「そっかぁ。好きかぁ」
「ごめんね」
「何で謝んの!」
「だ、だって桃も熊井ちゃんのこと好きなんじゃ…」
「うん」
「なんでそんなに、平気なの…?」
「だってさ、ゆりがあんなにカッコいいんだからモテるのはちょっと考えればわかるじゃん」
「そうだけど…」
「だから、桃は他に誰がゆりのこと好きでも気にしないよ。ただただがんばってゆりを桃のものにするだけだもん」
「…桃って強いんだね…」
「えへへ。そっかな。ちー、これから勝負だよ!」
「う、うん」
「負けないからね。じゃ、また明日!」

桃はそう言って帰っていった。それからすぐに熊井ちゃんが戻ってきた。あ、桃はこれがわかってたのかな…?

「お待たせ。じゃあ帰ろっか」
「うん。あ、熊井ちゃん早く帰らないと桃と約束あるんじゃ?」
「あ!そういえば!」

と、そのとき熊井ちゃんの携帯が鳴った。

「あ、メールだ…なんだ、ももち、今日は用事ができたんだって」
「そ、そうなんだ」
「結構マッサージごっこ楽しみにしてたのに、残念」
「ま、マッサージごっこ?」
「あ、そう。ももちとたまにね、マッサージって言うか、柔軟って言うか、そんなのやって遊んでるの」
「なぁんだぁ~。"する"ってそれかぁ~」
「え?」
「うぅん、なんでもない。帰ろっ!」

熊井ちゃんと手をつな…ごうとしたら、今度は千奈美の携帯が鳴った。

「あ、こっちも桃からメールだ」

携帯を開いてメールを読む。そこには…

『今日のところは桃の負け。2人で楽しい時間を過ごしてね☆でも明日からはまた勝負だから!』

桃、何て言うか…うつわがおおきい?よね…。こんな子に好かれる熊井ちゃんってやっぱりすごいんだなぁ。
そんな熊井ちゃんに大事な人って言われてすっごく嬉しい…あ、そうか!あの歌詞はこういう気持ちなんだね。

「何だったの?」
「何でもない。それより熊井ちゃん」
「何?」
「Hey! Everytime I'm So Proud Of You」
「?」
「ふふっ…なんでもない。行こっ!」
「うん!」

手を取り合って駆け出す。建物の出口にはまぁさんがいた。

「あ、まぁさん!」
「今帰り?」
「あ、うん…うわぁ2人、仲よさそう。いいなぁ」
「へへっ。わかる?じゃあまたね!お先~!」
「バイバ~イ。あっお手紙ちょっと待ってね。ちょ、ちょっと!ちー!そんなに走らないでよ~」
「早く早く!」
「もー」

今日の残りは熊井ちゃんとずっといっしょ。さてさてまずは何をしようかな~♪
あんなことやこんなことを考えながら、千奈美は熊井ちゃんをまるごと独り占めしたのでした。おしまい。

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