スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

  恋の呪縛―雅と梨沙子― 

恋の呪縛 2006/08/05 |このエントリーを含むはてなブックマーク 
初めて書いた作品。Berryz工房のシングル『恋の呪縛』の歌詞からいろいろと想像してみました。
雅と梨沙子の2人がこの曲の世界観には一番似合っていると思います。なので最初です。

2004年11月3日掲載。

.

「俺、夏焼さんのことが好きなんです!付き合ってください!俺…夏焼さんのことずっと守るから!」

突然そう言われたのは今日の放課後の教室でのこと。でもこの手のことはあたしにとっては別に大したことじゃない。
あたしは男の子にコクられたことは何度もあるし、付き合ったことだって何度もある。二人きりで遊園地とか映画館とか行ったことは一度や二度じゃない。
そりゃ…キスとかはまだだけど…それでも恋には慣れてる。男子を見る目だってそれなりのもの。そう思ってた。

そんなあたしから見ても「いいなぁ」って思う男の子がいた。掃除時間とかに一緒になるあの子。
いっこ下で、普段は他の男子のように騒いだりしない無口だけど、あたしが何か困っているとさりげなく助けてくれる優しいあの子。
自然、あたしは何となく彼を目で探すことが多くなった。「もし告白されても、彼となら付き合ってもいいかも」そんな風に思うことも多くなった。

…あの日までは。

「ねぇみや。あたしね…あたしね、好きな人できちゃった」

放課後の教室を訪ねてきた幼なじみの梨沙子が珍しく困ったように相談してきたあの日。
梨沙子はあたしより2つ下。歳は違うけど昔からよく一緒に遊んでたので、もうすっかり友達という感じでしゃべってる。
梨沙子は可愛い上に明るく元気で、いつもクラスの人気者ナンバーワンらしい。そのウワサは学年を隔てたあたしのところまで伝わってくるほどだった。

その梨沙子が今、頬を真っ赤にして、うつむきながら話す。
生まれて初めて好きな人ができたのだと。彼のことを考えると夜もドキドキして眠れないと。こんなことは初めてなのだと。

「へぇ~、どんな人なの?」

あたしは聞いた。応援してあげたかったってのもあるし、梨沙子が好きになるぐらいだから相手はそれはそれはいいオトコに違いない。下世話ながら興味もあった。
すると梨沙子は

「あのね…あ!あの人!」

校庭でサッカーをしている男子たちの方を指差した。その方向にはしかしいろんな男子が混ざっていて、どれが梨沙子の想い人なのかわからない

「どの人?」

当然ながらあたしは聞いた。梨沙子は

「あ!あの今ボール持ってる人!」

興奮気味にそう答える。ボールを持っているとなると一人しかない。さてどんな子かな…目をその子に注ぐ。





その瞬間、あたしは時が止まるのを感じた。





「5年生の人なの。年上なんだけど…ねぇ!どう?どう?」

梨沙子がしきりに感想を聞いてくる。あたしの意見をぜひ参考にしたかったのだろう。
動揺を隠すため、あたしは「まぁまぁ…じゃない?」とかろうじて平静を装って返す。

「そっかー。みやはきびしいなぁー」

そう言いながらもご機嫌の梨沙子。あたしが「ダメ」と言わなかったので、少なくとも及第点は与えた、と思ったのだろう。
そう言わなかった理由は本当は別のところにあるのだけれど…。

そんなことがあった。そして今、その彼はあたしの目の前にいる。
あたしの前で、あたしにはいちばん都合が悪くて…でも密かに、密かにあたしがいちばん期待していた言葉を発している。
あたしは…

「ご、ごめん!」

返事を返さずその場から逃げるように走り去る。そして下駄箱に駆け込む。そこには梨沙子がいた。

「あ、みやー。待ってたんだよ。一緒に帰ろぉ」

いつものことだが無邪気に話しかけてくる梨沙子。いつものことだが彼女の笑顔は本当に可愛いなぁと思う。
そして思うのだ。この子に悲しい思いをさせてはいけない。梨沙子の笑顔を曇らせるようなことがあっちゃいけない。

あたしがやるべきことは決まってる。梨沙子のために身を引いて、彼の告白を断ること。
それはわかってるのだ。はっきりと。なのに…なのに…胸がどうしようもなく苦しい。
なんでこんなに悩まなきゃならないの?なんで…なんで…


告白なんてしないでよ
付き合い方も知らないくせ
どうやって私守るのよ
根拠も何も無いくせに

大人ぶるのやめて
真面目顔もやめて
女友達が君の事
好きだと知ってるのよ私

教室には何もないわ そんな強く迫らないで
女同士友情って こんなことではかなく砕けるの
恋の呪縛

スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。