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  新幹線 

つんく♂プロデュースの新進気鋭ユニット「キャナァーリ倶楽部」で初めて作成。
見えない部分をあれこれ想像するのが自分の楽しみ方ですが、今回はその中で移動中の光景を想像してみました。

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窓の外の景色が絶えず切り替わっていく。すごい速さでどんどん流れていく。
真っ暗な中にいきなり現れた数え切れないくらいの光がカラフルな天の川のようにまたたいたり、
かと思えばまた一面墨で塗りつぶしたように真っ黒になったり、ほんと速い。
通り過ぎていく一瞬しか目に入らないけど、あの光の数だけ生活してる人がいるんだよね。
あれはその人たち自身の輝きなのかも。すごいな。あたしたちはどれくらい輝いてるんだろう…
あたしたちも通り過ぎる人の目に一瞬でも、いやできればもっともっと映っていたいな…
ヒマつぶしにそんなことをぼんやり考えようとするんだけど、時々襲ってくる「ごーっ」という音と、同時に耳を引っ張る空気がちょっとうるさいかも。

ここは新幹線の中。あたし、みっきーこと丹羽未来帆は関東で行われたイベントから帰る途中。
窓際に座るあたしの横のりっぽんこと杉浦里穂はイベントの疲れからか寝ちゃってて、その向こうでは自称携帯依存症のいくっちこと大浦育子が今もカチカチ携帯をいじってる。
電車が発車してしばらくは3人で今日の感想とかを話していたけど、そのうち真ん中の里穂が寝ちゃったんだよね。
で、起こしちゃいけないよねってことで静かにして、その後あたしは読書したり外を眺めたり、いくっちは携帯をいじったり文化祭の看板のイラストを考えたり。
…してたんだけど、やっぱりヒマだよね。あー早く着かないかなー。

「あー早く着かないかなー」

思わず声に出ちゃう。

「到着時間決まってるんだから。のんびり待とうよ」

いくっちは微笑みながら返してくる。まぁ毎回新幹線に乗るたびに言ってることだし、いつものやりとりではあるんだけどね。

「でもさぁ、もうちょっと速くしてもいいんじゃない?」
「えー」
「急いでる人も多いんだしさ、スピードあげて、停車時間も短くして」
「やだよー」
「なんで」
「そんなことになったらあたし一生乗れなくなっちゃうじゃん」
「どうして」
「乗ろうとしたらドアが閉まって、次の乗ろうとしたらまたドアが閉まって…の繰り返しになっちゃうよー」
「あ、そっか」
「そうだよー」

のんびり屋のいくっちらしい意見が返ってくる。生まれたのはたった5日しか変わらないのに、あたしといくっちはほんと対照的。
性格以外でも、たとえばふんわりした雰囲気のいくっちと、アクティブな感じのあたし、それに見た目なら白いいくっちと、黒い…黒い…ぐすん(ノД`)
…いいもん、もうやっぱ考えるのや~めた!人間それぞれの良さがあるもんね。比べちゃダメだよ。うんうん。

「でもさぁ、ほんと早く着かないかなー」
「だから…」
「ほら、ずーっと座ってるのって身体にも良くないしさー…って、ん?」

こつん。

それまで背もたれにもたれて寝てた里穂があたしの肩に倒れかかってきた。電車の振動でバランスが崩れたみたい。

「ちょっ、里穂…」

かすかに肩で押し返す。でもぐっすり寝ている里穂は相変わらず寄りかかってくる。
肩にもたれる里穂の顔、すごく近い。思わずまじまじと寝顔を見る。
普段はオシャレで大人っぽいメイクも似合う里穂だけど、こうして寝てるとまだ15才の女の子なんだよね。かわいい妹みたいな感じ。
あたしといくっちの視線がそんな里穂の顔に集まったその瞬間



「んん…おっきゃん…パン返せぇ…」



里穂の口から寝言が。それも妙にわかりやすい寝言。
顔を見合わせるいくっちとあたし。

「ぷっ」
「聞いた今の?」
「うん」
「よっぽど悔しかったんだろうね」
「食べ物の恨みは怖いよね」

2人ともブログで何の話かわかっているので、すっごくおもしろい!
でもそんな話をしている間も、ずっと里穂はあたしにべったり。

「しっかしこの子動かないね~」
「ね」
「イス後ろに倒そっか」
「あ~、でも起きちゃうかもしれないし」
「でもさ、みっきーそのままでいいの?」
「ん~、ま、いいんじゃん」
「そう?」
「里穂起こしたくないし、休ませてあげたいし」
「あ、"未来姉"って感じ~」
「まぁね~♪」

里穂と反対の手でVサイン。ニコラのモデルしてる時からそうだったけど、あたしって年下の子にいろいろ世話焼いてあげるの好きかも。
でもさ、里穂があたしの肩でゆっくり休めるならいくらでも休んでいいよ。

「あー、早く着かないかなー」

いくっちがつぶやいた。でも…

「まぁまぁ、そんな急がなくてもいいんじゃん?」
「え?」
「ゆっくり旅するのもさ、いいもんだよね」

寝てる里穂の頭を軽くなでながら答えるあたし。

「さっきと言ってること違う~」
「まぁいいじゃん」

いくっちには案の定突っ込まれたけど、でもたまにはゆっくりな気持ちで旅するのもいいかもね。

~FIN~
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