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  とくべつなひと 

Berryz工房 2006/08/05 |このエントリーを含むはてなブックマーク 
推しCP「ちなゆり」での初作品です。

2004年12月25日掲載。

.

「遅いな~…」

とあるイタリアンのお店で一人待つ千奈美。様々な有り様のカップルでごった返すこの店でも小学生の女の子一人というのは彼女だけ。
周りの人間のそれとない奇異の目を感じ、千奈美は未だ来ない待ち人へのイライラ半分、大人の店に一人でいる居心地の悪さ半分でただただ携帯のディスプレイを見つめるばかり。
そうして一人つぶやく。

「約束したのに…」

一方…

「「「「メリ~クリスマ~ス!!!」」」」

ここは都内某所のスタジオ。正月のコンサートの練習を終えたBerryz工房のメンバー数人がここには残っている。
現在残っているのは

「今年いろんな衣装を着せてもらったし、とびきりのオシャレしてクリスマスの街を歩きたい!」

と言って練習が終わるや否や飛び出していった雅と梨沙子、ユニットの各代表が出席する代表会議に出ている佐紀、
そしてなぜかこれまた練習が終わるや否やどこかへ行ってしまった千奈美を除くBerryz工房メンバー。
彼女たちは今、コンビニで買ってきたお菓子とジュースでクリスマスを祝う。

「あーあ。今年はけっきょく女だけのクリスマスかぁ」
「あれ?桃子は去年はじゃあだれとすごしたの?ねぇねぇだれと?」
「へへ~。茉麻、気になる?えっとね~おとこのひと。とってもやさしくて、とってもかっこいいの♪た~くさんごちそうしてもらったよ。ケーキもたくさんくれたし」
「ふぇ~いいなぁ~」
「もう。だまされちゃだめだよ茉麻。去年は桃子はお父さんと一日じゅうすごしたんでしょ」
「あ~!何バラしてんのよ舞波~!」
「へっへっへ~」
「いいな~いいな~」
「何?友理奈もクリスマスにあこがれてるの?」
「いいな~ごちそうとかケーキとか~おいしそう~…あれ?みんなどしたの?」
「…う、うぅん。まだ、子供なんだね…」
「そう、だね…」
「だね…」

パーティーは盛り上がる一方。「できるだけ早く帰りなさいよ!」というマネージャーの声も空しく、ひたすらクリスマスを楽しむBerryzたち。
特にこの場で最年少の友理奈は初めて「仲間」と過ごすクリスマスを大変楽しむ。
そんな友理奈に、誰からともなく…

「でも千奈美と友理奈ってホント仲良いよねー。嫉妬しちゃうー。なんちゃってー!」
「えー?それってなんかイケナイ感じがしなーい?」
「そうだよーヤバいってー!」

それを聞いたとたん、友理奈の表情がにわかに曇る。

「千奈美?…ちなっちゃん?あっ!」
「ん?友理奈どーしたの?」
「ちょ、ちょっとごめん! 」

(バタン!タタタタタ…)

「ど、どうしたの?友理奈…」

呆気に取られる舞波と茉麻。

「…ま、いいんじゃないのぉ?」
「桃子?でも…」
「若い子は若い子同士で、いろいろあるのよ」
「桃子…なんかおばさんくさ」
「うるさいな~!さぁ飲むわよ!ほらオレンジジュースついで!もう一回乾杯するの!」
「「は、はぁ…」」
「かんぱ~い!」
(いいなぁ…千奈美)

雪の中を走る友理奈。しかし道に迷う様子は見られない。
ひたすら雪の中を走る、走る、走る。頭に雪が積もってゆくがそんなことを気にしている余裕はない。
やがて友理奈はとあるイタリアンレストランの前に立つ。

「はぁ…はぁ…『ハローキッズ!』以来かな…ここ…」

周りを見渡し、やや回想する。

「ちゃんとデビューしたら、ここでお祝いしようね…って言ってたもん…
それが今日とはかぎらないけど…でもちなっちゃん、こーいう記念日とか大好きだし…きっとここにいる!」

意を決して扉をくぐる友理奈。今日"二度目の"小学生の来訪に驚く店員に、尋ねる。

「あ、あの!え~と…こ、ここに笑うと目がすごく細くなる、ちょっとえなりかずき入ってる女の子は来てませんか!?」
「えなり?は、はぁ…えなりかずきですか…そんな方は…あっ!」
「いるんですか?」
「ど、どうぞこちらへ」

店員に案内されて席へ…そこには…いた。笑い顔が特徴的なあの子が…あの子が。
しかしその表情は険悪そのもの。聞こえていたらしい。

「もう!だれがえなりかずきよ!バカ!」
「ご、ごめん!」
「それにね~だいたい遅刻しすぎ!約束忘れたの?」
「は、はい…ごめんなさい…」
「だいたいあんたは前からねぇ…ん?」
「?」

ここでやっと状況を冷静に見る千奈美。見れば普段はそれはそれは端正な顔立ちの友理奈が、今や必死な表情で許しを請うている。
さらに…その頭の上にはこんもり雪が積もっている。無論本人はそんなちょっとした雪山に気付く様子もなく、ひたすら必死に謝っている。
そんな光景を目の当たりにした千奈美は…

「…ぷっ…」
「え?」
「ぷっ…く、くくく…あはははは!!!」
「えっ?えっ? 」
「あはははははは…あー!友理奈ー!おかしいー!あはははは…!」
「えっえっ…?一体どうしたのよ、どうしたのよちなっちゃん!」
「あはははは…は、はぁはぁ、いいよ、友理奈。来てくれただけでもう嬉しいから」
「え…でも…そ、その、ごめんなさい…」
「もういいの!いいから!お姉さんの言うことは聞きなさい!それよりお祝いしよ!クリスマスでしょ!」
「は、はい…うん!お祝いしよ!」

飲み物が運ばれてきた。それを手にして二人は…

「「メリ~クリスマ~ス!」」
(ごくごくごくごく)

想いを伝え合った喉を潤して、それぞれ一言。

「ねぇ、友理奈」
「なに?」
「あのね、友理奈、だぁ~いすき!」
「…あたしも~!あたしもちなっちゃん大好きだよ!」
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