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  千奈美と友理奈のホワイトデー 

Berryz工房 2006/08/06 |このエントリーを含むはてなブックマーク 
前作「千奈美と友理奈のバレンタイン」の続編です。

2005年3月14日掲載。

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「ちなっちゃんのわからずや!!!」
「友理奈なんてだぁ~いっキライ!!!」

レッスン場にあたしたちの声が響き渡った。みんなも何事かとこっちを見てる。
なんでこんなことになっちゃったんだろう…



極秘ユニット「ちなゆり」の2人でホワイトデーは過ごそうってバレンタインに約束して、待ちに待った今日がきた。
学校が終わったら会って、お買い物したりプリクラ取ったりするの。とっても楽しみ!
…えっ?いつものお休みと変わらないって?でもいいんだ。いつも通りでもちなっちゃんと一緒にいられるんだから…。
それに、いつもと違うところが一つだけ。あたしのカバンの中にちっちゃな包みがあること。
きっとちなっちゃん喜ぶだろうな…楽しみだな…。

でもそんな計画もあいにくレッスンが入っちゃって全てダメになっちゃった…(T T)
ダンスレッスンの予定が遅れちゃって、今日も練習しなきゃいけなくなったんだって。
Berryz工房も2年目、がんばらなきゃならないのはわかってるんだけど、残念だな…。
でもそんなこといつまでも思っててもダメ。気持ちを切り替えて練習練習!
でもでも、練習しているときはいいけど、休憩時間になるとまた思い出しちゃう。
あ~あ、残念だな…ってこんなこと考えてばっかりだと気分が沈んじゃう!
もっと楽しいこと考えないと…。

ホワイトデーかぁ…

あっ、お父さんにバレンタインあげたなぁ…お返しなにくれるんだろ。やっぱりクッキーかなぁ…あーなんかほしいもの言っておけばよかったなー。
でも照れくさそうにホワイトデーのお返しするお父さんって毎年のことだけどなんかかわいいんだよなー、ふふっ。

そんなことを考えているといつの間にか目の前にちなっちゃんが。なんか不思議そうな顔してる。

「どうしたの友理奈?なんかすごい楽しそうだね」
「うん、だってホワイトデーだから…あっ!」

ついホワイトデーの話しちゃった。でももう遅い。
ちなっちゃんの顔がみるみる曇っていく。

「ちなゆりで遊びに行けなくなったのに、なんでそんなに楽しそうなの…」
「え、えっと」
「あたしと遊びに行けなくてもどうってことないんだね…」

目を伏せてつぶやくちなっちゃん。違うよ!そんなんじゃなくて…

「あ、え、えっと、そんなんじゃなくて、お父さんになにもらえるかなーって」

必死に言い訳。でもこれも逆効果。ちなっちゃんは自分のお父さんがあんまり好きじゃなかったんだった…。

「そっかーお父さんがいるからあたしはどうでもいいのかー。お父さんと仲いーんだねー。いいねー友理奈は」

からかうようなちなっちゃん。さすがにあたしもムッとなって言い返しちゃう。

「…ちなっちゃんもお父さん大事にしなきゃダメだよ」

でも、この一言でちなっちゃんはさらに怒っちゃったみたい。
でもでも、あたしも引き下がれないよ!

「はいはい!友理奈はえらいねー!いい子ちゃんだねー」
「なによ!そんな言い方しなくてもいいじゃん!」
「あたしは友理奈のことしか考えてなかったのに、友理奈はいろいろ楽しそうでいーね!」
「なによ!」
「なによ!」

にらみ合うあたしたち。

「ちなっちゃんのわからずや!!!」
「友理奈なんてだぁ~いっキライ!!!」

レッスン場にあたしたちの声が響き渡った。みんなも何事かとこっちを見てる。

結局その日、それからのレッスンはさんざん。あたしとちなっちゃんだけ居残り。
やっとレッスンが終わっても、更衣室も、帰りの道も二人っきり。気まずい…。

「…」
「…」

何か話さないとな…

「「あのね」」

やっぱりちなゆり。話しかけるタイミングもいっしょ。
でもちなっちゃんがこういう場合一瞬黙っちゃうのはわかってるので、あたしから話しかけてみる。

「さっきはゴメンね」
「えっ…」
「ちなっちゃんの気持ちも考えないで、ごめんなさい」

あたしはあやまる。でもそうだもん。ちなっちゃんの気持ちをもっと考えないと。
頭を下げるあたし。ちなっちゃん許してくれるかな…ん?

「っく…ひっく…」

頭の上から泣き声が。顔を上げてみると…えっ?ちなっちゃんが泣いてるよ!
ど、どうしたんだろう…?

「ちなっ、ちゃん…?」
「ゴメンね…ゴメンね友理奈…」

平日とはいってもここは道端。けっこうみんなじろじろ見てくる。こんなところを…えーと、なんだっけ、あ、そうだ、"ふらいでー"されたら大変だ!
慌ててちなっちゃんの手を取り、ちょうどそこにあったドトールに入る。都合よく一番奥の席が空いていたので、そこを取る。
ちなっちゃんはすんすん泣きながらも、手を握って黙ってついてくる。

…かわいいなぁ…

こんなときになんだけど…素直になってるちなっちゃんってとってもかわいくて大好き。
あたしの方が年下なんだけどね…

「ちなっちゃん…どうしたの…?」

おそるおそる聞いてみる。すると…

「友理奈…ごめんね…あたし、サイテーだよね…」
「え…」
「年上なのに…友理奈に迷惑かけてばっかり…」
「そんなことないよ…」
「うぅん、それに友理奈がお父さん大切にしてるのしってたのに…あたしがコドモなだけなのに…やつ当たりしたりして」
「もういいよ…」
「あたしって、サイテーだよね…」

落ち込んじゃうちなっちゃん。どうしたら元気づけられるんだろう…あ、そうだ!

「ちなっちゃん、これ…」

あたしはカバンから一つの包みを出す。

「…これは…?」
「開けてみて」

ちなっちゃんが包みを開ける。中にはちょっぴり、ちょ~っぴり形は崩れているけどおいしいクッキーと、そしてカード。

「ホワイトデーだから…ちなっちゃんにプレゼントだよ」

ちなっちゃんはカードをじっと見つめてる。そ、そんなに目の前でじっくり読まれると恥ずかしいよ!
確か書いたのは…


ちなっちゃんへ

なんかこうしてお手紙書くのって照れるね
いつもいつも会うから恥ずかしくていえなかったんだけど
ちなっちゃんの笑ってる顔があたしはとっても大好き!
Berryz工房でも、ちなゆりでも、これからがんばろ~ね!

友理奈


「ひっく…ひっく…」
「え、えっと、その」
「友理奈…ありがと…ありがとう…」
「あ…うん」

ちなっちゃんがまたぽろぽろ涙をこぼしだす。でも今度はいい涙。よかった…

「ちなっちゃんはサイテーじゃないよ。あたしにはサイコーのひとだもん。大好きだよ」

いつもは恥ずかしいけど、つい言っちゃった。
弾かれるように顔を上げるちなっちゃん。

「友理奈…あたしも…友理奈がいちばん好き!大好きだよ!」

よかったー。ちなゆりのピンチも去ったかな…ほっ…。
あたしがそうして安心していると…

「あ。あたしも友理奈にプレゼントあるんだった」

ちなっちゃんもカバンから包みを取り出す。出てきたのはやっぱり…クッキーと、カード。
うーん、考えることはおんなじなんだなぁ…

クッキーは…う、う~ん、なかなか個性的な形だね…人のコト言えないケド。
そんなあたしの考えが分かったのか、ちなっちゃんは慌てて…

「あ、あのね!味は大丈夫だよ!えっと、そのは、初めて作ったから形はちょっとヘンだけど…おいしいよ!うん!」
「えっ…ちなっちゃんがクッキー?」
「う、うん…ダメ?」

カードを読んでみる。

「ちょ、ちょっと!そんな目の前で読まないでよ!恥ずかしいって!」

ちなっちゃんが何か言ってるけど、かまわず読んでみる。


友理奈へ

いつもありがとう。友理奈がいるからあたしもがんばれます。笑えます
ずっとずっと一緒にいようね
クッキーは…初めて作ったんだけど、きっとうまくできてます!…きっと
これからもよろしく!

千奈美


ちなっちゃん、じゃああたしのために初めてクッキー作ってくれたってこと…?
あの手芸とかの細かい作業が苦手なちなっちゃんが…わざわざ?
すっごく…すっごくうれしいよ…。

「えっと、友理奈、その…自信ないけど、よかったら食べてね」
「うん!絶対食べる!」
「こ、声おっきいよ!」

あ、お店の中なんだった…お店のお客さんたちが何事かとこっちを見る。

「あ、ゴメン…」
「もう。友理奈はコドモなんだからぁ。お店でおっきな声出しちゃだめだよ」
「あの、さっきまで騒いでたのはちなっちゃんじゃ…」
「ん?何か言った?」
「…うぅん、なんでもな~い」
「よしよし。それでいいの」

ちょっと得意げなちなっちゃん。よかった。もうすっかりいつものちなっちゃんだね。
年上なんだけどかわいくて、ちょっと手のかかる、ね。

お店を出て再び家路に着くあたしたち。
ん?ちなっちゃんがなんかもじもじしてる。
これはおそらく…

「友理奈、あのさぁ…その…」

ちなっちゃんが恥ずかしそうに口を開く。なのであたしはちなっちゃんの手を取り…

「うん、ちなっちゃん、大好きだよ」

言ってあげた。するとちなっちゃんはパッと顔を輝かせる。

「よかったぁ。あたしも!友理奈が大好き!」

満面の笑みで応えてくれるちなっちゃん。いいなぁ、やっぱりあたしはこの笑顔が好きだよ。
微笑みあって、再び歩き出すあたしたち。
ちなゆりは今夜もぜっこーちょー!

~FIN~
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